岩田藤七の長男として生まれた久利は、幼い頃から父の緊迫した制作現場と、卓越した作品を絶えず目の当たりにしていました。
青年時代、文学・演劇・デザインなど、多方面にわたり造詣を深め、東京美術学校(現東京藝術大学)図案科に進み、
父の拓いた「日本のガラス工芸」をさらに究め、独自のガラス芸術の世界を作りました。
久利の作品は、繊細華麗、金箔を縦横に使いこなした、端正な美しさを放つ作風に代表されます。
また、銅器・漆器・陶器を彷彿とさせる、高度で緻密な技法を駆使した作風、ガラスの不透明色の魅力を大胆に生かした作風など、絶えず新たな表現に挑戦し続けました。
その色ガラスの粋を集めた作品は、芸術界をはじめ、文学・財界・政界など、幅広い層の人々を魅了し、日本のガラス芸術の第一人者として評価されました。
一方で、藤七から受け継いだ「生活に使える美術品の普及」を目指し、岩田ガラスの販売を全国的に拡大しました。
晩年は、黒、赤、白、青などの単色で生命の躍動を感じさせる大作の制作を始めましたが、多くの可能性を残しつつ68歳の若さで逝去しました。
叙勲 勲四等旭日小綬賞
主な作品収蔵
東京国立近代美術館
京都国立近代美術館
北海道立近代美術館
日本芸術院
ニューヨーク・コーニングガラス美術館
ニューヨーク・メトロポリタン美術館
デュッセルドルフ美術館
パリ装飾美術館
デンバー美術館
資生堂アートハウス
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